思い出ログ

文章下手です

ちっちゃな英雄 おたく編①

ちっちゃな英雄という作品について、少し理解していただけだろうか。そして未来の自分、あの期間について少しは思い出しただろうか。ここからは自分の周辺での出来事についても書こうと思う。

 

ちっちゃな英雄には大きく分けて3種類のファンがいる。俳優の元からのファンちっちゃな英雄観劇後からの俳優ファン、そしてちっちゃな英雄の中で推しを変え続けるファンだ。3つめのちっちゃな英雄の中で推しを変え続けるファンについては前回も触れた通り、キャスト変更のたびに推しも変更していくファンで、中高生と主婦などが主な層である。嫌な文化が根付いてしまっていると感じるが、推しキャラクターと同じ色の"ひげ"を顔につけたり、耳をつけたりして観劇する者も少なくない。また、テーマパークであるからかサンリオキャラクターのぬいぐるみを持ったり、そのぬいぐるみにひげを付ける者だっている。ちっちゃな英雄はそのコスパのよさや俳優の知名度の低さによるおたくの少なさから、認知がされやすい現場だと思う。そのことも過剰なアピールに繋がっているのだろう。俳優の元からのファン、ちっちゃな英雄観劇後からの俳優ファンについてはそのままの意味だ。特に奇行が目立つわけでもないので説明は割愛する。

 

私はちっちゃな英雄観劇後からのファンであった。推しはちっちゃな英雄が初仕事ではなかったが、おたくがつく現場という意味ではこれが初めてだった。推しはまだまだ未熟だったし、(もちろん今も未熟だ。)実力も未知数だったが、それでも彼の持つ可能性にかけて推し始めた。2チームあるうちの人気のない方のチーム。決して顔が悪い訳ではないと思うが、彼はチームの中でも人気のない方のキャストだったと思う。

当時のピューロランドはキャラクター、ダンサー含め出演者にプレゼントを渡すことができた。(※現在は禁止)いかんせん公演数、日数が多いため彼が出演する全日通うことはできなかったが、行ける限りの公演は全て行った。半分~3分の2程度だったと思う。その度に手紙を書き、プレゼントを預けた。金額は明示しないがこのとき使った金額があれば何ができただろうと考えると頭が痛くなる。もちろん後悔はしていない。彼がアルバイトをしながら日々ギリギリで生活をしていることを知っていたので、少しでもその手助けができればという一心だった。それに加え彼はプレゼントした物はほぼ全て使ってくれていた。ちっちゃな英雄の利点だが、預けた手紙・プレゼントはその日のうちに手に渡っていた。もちろん個人差はあるが、少なくとも私の推しは即日で受け取っていた。預けて3日後にプレゼントした服を着ていた時に他のおたくと被ったのか心配したことも懐かしい。

 

しかし私は彼がちっちゃな英雄を卒業する日まで彼を推すことができなかった。その要因はいくつかあるが、そのうちのひとつである周囲のおたくとの関係に触れようと思う。

 

ちっちゃな英雄(ヒーロー)

最近になってふと、時間をかけて精神を削られながら通ったコンテンツについての記憶が薄れてきていることに気づいた。あの頃の自分の為に、そしてこれからの自分の為にも戒めの意味を込めあえてこのタイミングで書いておくことにする。

ちっちゃな英雄(ヒーロー)という作品についてご存じだろうか?(詳しくはリンクを参照していただきたい)ピューロランドの入場料を払えば見ることができる、約40分のミュージカルショーである。

ご存知の方も多いだろうし、公式サイトを確認していただけたらおわかりだと思うがこの作品にはショーダンサーではなく若手俳優が出演している。私はその出演者の中に応援している俳優、いわゆる推しがいた。卒業制度を取り入れており、入れ替わりが頻繁に行われている為私がちっちゃな英雄を訪れていたのももう随分前のことだ。これから書くことが今の環境とは異なる場合があることを注意していただきたい。

 まず、テーマパーク内のミュージカルショーという体裁上、一般的な2.5次元ミュージカルとは異なる点がある。

  1. パークの入場料のみで観劇が可能
  2. 入場順(待機順)での自由席制
  3. 有料の優先入場券(ピューロパス)の存在
  4. 40分の公演が1日に2~6回行われる
  5. 3ヵ月1クールでチームが一新の卒業制度
  6. カーテンコールのみ撮影が可能

…などなど、他にも上げたらキリがないのでおいおい書いていこうと思う。反対に一般的な2.5次元ミュージカルと同様の点といえば出待ちが禁止であることくらいだろうか。(これについても後述の予定ではあるが)

とにかく特殊なのだ。夢が詰まったテーマパークの中で、ちっちゃな英雄が上演されるフェアリーランドシアターは一際目立って異質で、閉鎖的で、夢のかけらもない。

基本的に余程奥まった席に座らない限りはキャストの誰かとハイタッチができる。呼びかけに反応してくれるキャストもいる。そこが1番の売りなのではないかと思う。しかし、それが故に空間の異質さを生み出しているのもまた事実なのだ。

2クール以上通うとわかるが、不思議なほどおたくが入れ替わらない。7人×2チーム、総勢14名のキャストは全員とは言わずとも3分の2程度変わるのに客席の顔ぶれはほとんど変わらないのだ。当然みんながみんな推しキャストが残留し続けているわけではない。彼女達はあくまでもちっちゃな英雄という作品の中でのみ応援をしているのだ。このチームの推しは誰、こっちのチームでは誰、というようなことを3ヶ月ごとにやっているのだから滑稽な話だ。また、この作品はメインキャスト5名とアンサンブル2名という構成でキャスティングされている。家ねずみと森ねずみに分類され、当たり前ではあるがメインキャストは5キャラクターそれぞれ全く異なる役柄であるため、そのキャラクターをやるキャストであれば全員好きという強者もいる。

ピューロランドは年間パスポートが大人10,000円という超格安で販売されている。通常の舞台であれば1公演くらいの値段で、1年間の観劇が約束されるのだ。しかも公演でのほぼ約束されたハイタッチに加え公演以外に不定期ではあるがピューロランドの中にキャラクターに扮したキャストが現れるお散歩、キャラクターグリーティングエリアで行われるマイメロディのグリーティングに現れてグリーティング、パレード前の振り付け練習に現れるパレードレクチャー(パレレク)など、これでもかというほどに詰め込まれている。とにかくコストパフォーマンスがいい。学生やお金のない人にとってはこの上ない現場なのだ。だからこそ、民度の低いおたくで溢れかえってしまう。最近各所で観劇マナーについて目にするが、声を上げている人がちっちゃな英雄を見に来たら悲鳴を上げてしまう気すらする。

 

と、まぁこんな具合だがこれはまだほんの一部でしかない。面倒なおたく、面倒な運営、面倒なキャストが三つ首揃えているのだから恐ろしい。おたく、運営、キャストの3カテゴリーに分けて書いていこうと思う。