思い出ログ

文章下手です

ちっちゃな英雄 キャスト編③

そろそろ書くのにも飽きてしまったし、なるべく客観視して書こうとすると書けることがないことに今更気付いた。

 

当時は推しとふたりの世界だった。異常なのはわかっている。推しの機嫌に一喜一憂したし、頭を悩ませ試行錯誤した。今考えるとちょっと面白いけれど、当時は必死だった。

以前にも書いた通り私は推しに対して口うるさいおたくだった。普段預ける手紙はあまり長くもなく、中身のないことを書き連ねるだけだった。しかし、これを伝えておきたい、ここはどうしても譲れないということがあるとうまく添削できないのも相まってとても長い文章を書いていた。果たして読まれていたのかはわからない。それで仕方ないと思ってしまうくらいには長かった。

内容としては、演技についてだったり、チームの雰囲気や態度。大それたものではない。基本的には私は推しのことが大好きだったので、できることなら褒めて伸ばしたかった。

あるとき、彼がとあるタブーを冒したことを知った。それを知ってしまったきっかけは本当に些細なことであったが、未然に防ぐこともできた。実際私は彼に忠告もした。あくまでも彼の良心に訴える形で。しかし、彼はタブーを冒した。正確には、それを匂わせる行為をした。それを表立って書けば、恐らく小規模ではあるが炎上もしただろう。その当時、精神的に疲弊していた私は彼を推し続けたいという気持ちは薄れつつあった。しかし、それでも彼の未来を潰したくなかった。私が彼を推していた期間の中で、1番怒ったのも悔しかったのも悲しかったのもあの時だった。もうずっと前の話ではあるが、そのとき彼宛に書いた手紙のメモを読み返すと今でもやるせない気持ちになる。あそこまで核心に触れて、彼に何かを伝えたのはあれが最初で最後だろう。せめて誰かに相談をすればよかったのだが、誰にも言えず悶々としていたことを思い出す。

彼に対して本当に気持ちが薄れたのは恐らくこのことがきっかけだった。熱が冷めていくのを感じた。今までいろんなことがあったのにこんなことで、なんて思ったりもした。また、彼のおたくが増え始めたタイミングでの出来事だったことも要因のひとつだろう。疲れきっていた。狭いコミュニティの中で、どこから湧いてきたのかわからない新規のおたくには嫌われ、運営スタッフの中途半端な対応に振り回され、嫌われていると感じながらも期待を込めて応援していた推しに失望させられる。

推しの千秋楽で卒業コメントを聞くことをずっと楽しみにしていた。そこにおたくへの感謝はなくても、彼が過ごしたちっちゃな英雄という作品の中で何を得たのか。その集大成を役としてではなく、1人の俳優としての彼の言葉で聞きたかった。結局それが叶うことはなかった。彼は期待をかけるには若すぎたし、未熟すぎた。ただそれだけの話だ。通った時間も(具体的な数字は伏せるが1クールだけの話ではない)かけた金額もすべて無駄ではなかったと思っている。その全てがあったからこそ楽しい時間を過ごすことが出来たし、嫌われているといえど多少は他のおたくより良い対応もされていた。多分。

一方的かもしれないが多少は彼との信頼関係も築くことができたと思う。悪い思い出より良い思い出の方がずっと多い。